◆見えない病気
著者は日本の企業は黒字なのに後継者がいなくて潰れてしまう会社が6割、後継者がいても親と子の事業継承がうまくいっていない会社が7割もあると記します。著者はこれを「バトンタッチ症候群」と名付けます。これは単なる親子喧嘩ではなく企業の命運を左右する「見えない病気」だとも記します。
本書ではバトンタッチ症候群を診断するためのチェックリストが子(後継者)の視点、親の視点、社員・幹部の視点から用意されています。
◆あらゆる視点を網羅
本書では「親が子にできる最高のサポート」「後継者が持つべき心がまえ」「株式譲渡が事業継承のコツ」「事業継承はゴールではなく新しいスタート」といったあらゆる視点が用意されています。事業継承に関して直面するであろう困難についてあらゆる視点が網羅されています。「あるある」として共感を感じつつ、実際の現場ではどのようにすればよいのかがわかるようになっています。
◆後継者はどのような気持ちを持つべきか?
それでは後継者となるべき子どもはどのような心構えを持つべきなのでしょうか。いくつかのトピックを見てゆきましょう。
・事業継承2.0(親の決断の重みが見えてくる。今の会社は親の挑戦と努力の積み重ねととらえて感謝の気持ちを持つ)
・事後報告ではなく事前相談(経営者のうかつな発言や判断は大損害につながる。重要情報の発信前にはすり合わせが必須)
・感情的になりそうな時は一呼吸(相手の背景を考える努力を。自分の考えだけでなく意思を伝えることも大事)
ベーシックな要素でありながら見落としがちな要素が多くあるとわかります。それぞれの項目はポイントとして整理されていますので、いざという時にいつでも参照できる構成になっています。
◆当事者の立場からの記述と情報発信
著者の清田幸佑 (せいたこうすけ)さんは、父親が経営するランドマーク税理士法人に所属する公認会計士、税理士です。大学在学中に公認会計士試験に合格し、自社の運営するYouTubeチャンネルでは演出家、コメンテーターのテリー伊藤さんや、『QuizKnock』とともに出演しました。
本業の税務に関する業務に加え、広報活動にも尽力しています。自身も事業継承者の立場から、わかりやすく相談者によりそった相続や事業継承のコンサルティングに定評があります。
著者自身の立場と経験に基づいた実用的な1冊となっています。事業継承をさせる側、する側、双方の立場の人のほか、事業継承に興味関心を持つすべての人におすすめの内容です。
【書籍情報】
『こうすればうまくいく 中小企業の親子de承継――「バトンタッチ症候群」でもめる会社が9割!』
(2026年10月26日発売)
¥1870(税込)
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